金属材料について(SUS編)
<ステンレス材料(SUS)の用途や機械的性質>
当社取り扱い材料の一つとしてステンレス(SUS)がございます。
ステンレスは英語で「stainless steel」であり、ステンレス鋼という意味です。
stainlessとは「さびない」「さびにくい」と言う意味です。
ステンレスは鉄(Fe)を主成分(50%以上)とし、クロム(Cr)を10.5%以上合金で、他の材料に比較すると使用量、生産量は増加しております。この増加はステンレス素材のすばらしさによる用途が拡大していることと、製造技術・加工技術の向上によるものです。
また、ステンレスは耐食性以外にも 耐熱性・加工性・強度など優れた特性を備えています。意匠性にも優れ、メンテナンスが容易であることも大きな特徴です。環境に対する社会の関心が高まるなか、100%リサイクル可能な材料として高く評価され、大変注目されています。
当社製品においては「SUS304」「SUS430」を使用することが多いです。
「SUS304」はステンレスの中では最も広く使用されており、強度や温度変化にも優れているため、様々な業界で広く使用されています。
【用途例】
建物 :自動ドア、エレベーター、エスカレーターの銀板、手すり
プラント:LNGタンク、原子力用設備
工業製品:ボルト、ナット、ワッシャー、ピン、自動車部品
機械設備:自動機部品、省力化部品、洗浄機部品
「SUS430」はクロムのみを含むステンレスでSUS304と比較すると全体的な性能は劣りますが、安価で入手しやすいため広く使用されています。
【用途例】
自動車:排気管
家電 :冷蔵庫、洗濯機
日用品:スプーン、フォーク、鍋
番号成分種類記号
200番台クロム・ニッケル・マンガン系SUS201 300番台クロム・ニッケル系SUS304 400番台クロム系SUS401
仕上記号 | 仕上の状態 | 仕上方法 |
No.1 | 白色の粗い仕上 | 熱間圧延後、熱処理し酸洗い |
No.2D | 銀白色の粗い仕上 銀白色の光沢のある仕上 | 冷間圧延後、熱処理し酸洗い |
No.2B | 粗い研磨目の光沢のある仕上 | No.2D仕上後、調質圧延 100~120番の 研磨ベルトで研磨 |
No.3 | 細かい研磨目の光沢のある仕上 | 150~180番の研磨ベルトで研磨 |
No.4 HL (ヘアライン) |
長く連続した研磨目をもった仕上 | 150~240番の研磨ベルトで研磨 (低速で研磨ロールを回転) |
No.7 | 高度の反射率を持つ準備面仕上 | 600番バフにより研磨 |
No.8 (鏡面仕上) |
最も反射率の高い鏡面仕上 | 鏡面用バフにより研磨 |
#400バフ | 鏡面に近い | 400番バフにより研磨 |
BA | 光沢あり | 冷間圧延後に光輝焼鈍 |
電解研磨 | 特有の光沢をもった仕上 | 電解溶解液で研磨するものを陽極に帯電ささせ、 電解して研磨 |